週内はテクニカル主導のトレーディング相場が続く!?

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当面の相場トレンドの方向性を決定付ける米欧金融政策イベントを控えて、主要通貨取引はテクニカル主導によるトレーディング相場の様相となっている。

 昨日のマーケットの主役はEURUSDであり、この日発表されたユーロ圏の重要経済指標は軒並み良好な内容を示したが、すでに3日のECB理事会による25bpの追加利上げは織り込み済みとあってユーロ買い材料とはならず、むしろ1.2720㌦への調整安を迫られる格好となった。 

 NYタイムでは、FRBがインフレ指標として注視するコアPCE価格指数が6月に前年比+2.4%と95年4月以来の水準に上昇、さらに米国経済の重要先行指標であるISM製造業景気指数が7月に54.7と事前予想を上回り、物価動向を示す価格指数も78.5へ上振れたため、利上げ休止観測の修正を迫られる形でドル買い戻しが強まった。

 しかし、EURUSDは欧州序盤に付けた1.2720㌦を下方ブレイクするには至らず、むしろ米長期金利が再び5.0%を割り込んだことをきっかけにユーロ買い・ドル売りが優勢となり、1.2980㌦(06/05)を起点とする下降トレンドライン(≒1.2784㌦処)を上方ブレイクして一時1.2830㌦まで急伸した。
 これにより、目先的な上値ターゲットはN-計算値で求める1.2843㌦処や0707の戻り高値1.2865㌦となってくる。(参照:今週の『森レポート』P.9-10)

 問題はユーロ高・ドル安の持続性となってくるが、明日のECB理事会での3.00%への利上げが確実視されていることからすれば、市場の関心は年内の利上げペースに移っていくことになる。

 ECBウォッチャーとして実績のあるマーケット・ニュース・インターナショナル(MNSI)は、複数のECB筋の話として年内に3.25%までの利上げの可能性を報じているが、市場では年内3回の利上げにより3.50%以上に引き上げられるとの見方が優勢となっていたため、一段のユーロ買いには結び付いていないのが現状である。

 一方、ユーロ圏金利見通しを反映しているEURIBOR(欧州銀行間市場金利)は、年内2回の追加利上げにより3.25%まで引き上げられる可能性を織り込み、さらに来年以降も利上げが継続する可能性を示しており、今後発表される経済指標次第ながら、明日のECB理事会後のトリシェ総裁による会見で追加利上げ姿勢を見極めることになりそうだ。

 尚、米欧間の政策金利とEURUSDの関係を見ると、大勢での相場トレンドは金利差を反映して形成されており、2001年4月にユーロ圏金利が米国金利を上回った時点から2004年11月に再び逆転するまでは、ユーロ高・ドル安の長期トレンドが進展していることがわかる。

 足元では、FRBの5.25%に対してECBが2.75%となり、2.50%の政策金利差があるため、金利差の観点からは持続的なユーロ高・ドル安は見込みづらくなっている。
 但し、ECBが利上げを再開した2005年12月からは緩やかなユーロ高が進展しており、中東や新興市場国による外貨準備構成の多様化でユーロ比率の引き上げなども指摘されているため、政治要因なども注視していく必要性は念頭に置いておきたい。

(8月2日 10:55記)

この記事へのコメント

ぱんた
2006年08月02日 14:07
先生はじめまして。
質問ですみませんが、先生が書いておられるFF先物レートが8月会合で今現在何%織り込んでいるのか書かれているのはどのサイトに行けばわかるのでしょうか?。
それともどこかのサイトに乗っているレートから計算して求めるものなのでしょうか?。
昨日の強い指標でもドル円は下がったので、今現在何%ほど織り込んでいるのか調べたいのですが。。。
お時間が空いたときで結構ですのでサイトに誘導していただけたらありがたいです
mori
2006年08月02日 14:15
FFレート先物市場のインプライド金利により求めることができます。
データはCBOTのホームページから得られます。
アドレスは以下です。
http://www.cbot.com/cbot/pub/page/0,3181,1563,00.html

尚、私はEXCELで自動的に確率が出るように設定してます。
現在、セミナーの準備で時間がほとんどありませんので、セミナー終了後1週間ほどすれば時間が取れますので、計算式が必要な際は仰ってください。
では
mori
2006年08月02日 14:19
すみません。
アドレスが長いためアクセスできないですね。
CBOTのホームページから右手の下にある「30 Day Fed Funds」をクリックしてください。
先物レートが表示されますので、インプライド金利を求めるために100から差し引いてください。(Settlement priceをご活用下さい。)
http://www.cbot.com/
ぱんた
2006年08月02日 14:29
お忙しい中本当にありがとうございます。
うまく求められるようがんばります。
もしうまくできなかったら今月末くらいにまたお伺いするかもしれませんので、そのときはまたよろしくお願いします。
勝手なお願いばかりですみません。
ぱんた
2006年08月02日 16:14
お忙しい中なんども申し訳ありません。
8月2日現在の、8月FOMC会合での織り込み度=42%、9月以降はおおむね50%以上と求めることが出来ました。
自分も先生にならって毎日の高値、安値、NYオープン、クローズなどを打ち込んでいるEXCELにさっそくインプライド金利と織り込み確率を自動で表示できるよう設定いたしました。
セミナー準備でお忙しい中ご教示下さり本当に感謝いたします。
mori
2006年08月02日 16:19
ばんたさん、流石ですね。
そのように努力される方は大好きですよ。

ご参考までに、各限月のインプライド金利は月中平均を示しますので、より緻密な計算によれば8月の利上げ確率は37.7%となります。
これは8月のインプライド金利から求めています。

ではまた
ぱんた
2006年08月02日 19:22
お返事大変感謝いたします。
8月限のインプライド金利からそのような数字が導かれるのですね。
かれこれ数時間試行錯誤していますが、なかなか満足のいく結果が出ません。
これからさらに勉強していきます。
これからもよろしくお願いいたします。
mori
2006年08月02日 19:28
ばんたさん、
難しく考えないでくださいね。
8月のインプライド金利は8月1日から31日までの平均を示しています。
FEDが8月8日のFOMCで25bpの利上げをすれば、8月7日までは5.25%、8月8日から31日までは5.50%となります。
この場合のインプライド金利は5.435%となります。FFレート先物8月限のインプライド金利が5.435%まで上昇すると利上げ確率が100%になります。

ぱんた
2006年08月02日 19:42
顔が真っ赤になってしまいましたw
セミナー準備にお忙しいのに、わざわざ丁寧にご指摘下さり感謝の言葉もございません。
本日はお忙しい中貴重なお時間をいただき、本当にありがとうございました。
mori
2006年08月02日 19:53
大丈夫ですよ。息抜き程度に書き込んでいますから。

私がFFレート先物を分析ツールとして使い始めたのは96年頃でしたが、当時は為替アナリストでも使う人はいなかったんです。(日経新聞の記事に掲載され始めたのは3年ほど前からです)

今では、個人投資家さんが積極的に勉強されているので、とても喜ばしいことだと受け止めています。

因みに、IMMファンド筋のポジションフロー分析も5年ほど前はほとんど知られていなかったんですよ。
私は米国のFutures Market出身ですので、先物に関しては専門ですので、先物をベースとする独自の分析手法を構築しているのです。

8月7日のセミナーでは、沢山のアイデアを公開したいと考えいますので、よろしかったらご参加下さい。
ぱんた
2006年08月02日 20:23
自分は森先生の分析をきっかけに為替取引を始めさせていただいたので、その他のアナリストの皆さんも森先生と同様にFFレート、IMMファンド分析をされているものだと思っていたした。
本当に森先生が先駆け的存在なんですね。
ますます尊敬してしまいますw
今日の休日は森先生のおかげで本当に充実したものとなりました。
重ね重ねですが、本当にありがとうございました。
8月7日のセミナーももちろん楽しみに待っています。
これからも森先生のご活躍を心よりお祈りしています。
mori
2006年08月02日 21:28
いやいや、そんな尊敬だなんて。
友人の為替ディラーから教えてもらったんですが、あるブログでは「バカアナリスト森好治郎は110円割れでドル売りを煽った」と名指しで批判されているんですよ。
私は110円割れでドル売りを煽った記憶はないんですがね。

相場分析は難しいものです。
だから、分析精度を高めるための努力を怠らなければなりませんね。

因みに、上記ブログは6月末のものですが、その発信者は、「ここからはドル売り」という見方をしていたんですが、そのあとドル高になっていたので、皆で大笑いしたという落ちがあります。
残念ながら、その方はドル売りの根拠も前提も示していないため、情報発信者としては失格ですがね。

雑談が長くなってしまいました。

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