市場期待に応えたトリシェ総裁、果たして米雇用統計は・・・!?

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注目されたECB理事会後のトリシェ総裁の会見は、ユーロの失望売りを誘発した前回会見とは異なり、利上げのサインとなる「警戒」“vigilance”に「強い」“strong”を付けて発信、さらに次回08/03の会合を電話会議方式から通常会合方式へ格上げし、会見も行うことになった。

 市場は次回理事会の利上げを織り込む形でユーロ買いに動き、EURUSDは1.2730-40㌦処の膠着から1.2784㌦へ急伸、EURJPYも発足来の高値更新となる147.42円を付けた。このあとファンド勢の利益確定売りに押される場面もみられたが、売り一巡後はジリ高となり、本日最大の注目イベントである「米6月の雇用統計」(21:30発表)待ちの姿勢となっている。

 米雇用統計は、日替わりメニューで揺れ動いてきた7月第1週のマーケットを締めくくるにふさわしい指標ではあるが、事前に発表された米雇用関連指標によりNFP(非農業部門雇用者数)の伸びがかなり読みづらくされてしまっている点には留意する必要があろう。

 まず、NFPの伸びは、07/05に米民間雇用サービス会社ADPが6月雇用報告で36.8万人の増加と発表したことを受けて、多くのエコノミストが予想を上方修正しており、ロイターが06/05に行った2度目の調査では予想中央値は15.5万人から18.5万人の増加となっている。 ゴールドマン・サックスは、ADPの雇用報告を受けて、15万人から25万人へ上方修正しており、市場は20万人の増加程度では満足しない可能性も指摘されている。

 こうしたなか、昨日発表された米6月ISM非製造業景気指数は、前月の60.1から57.0へ5ヶ月ぶりの低水準へ落ち込み、ISM指数を構成する「雇用」が前月の58.0から52.0へ急低下したことや、「価格」が前月の77.5から73.9へ低下したことから、6月の雇用統計の下振れリスクを想起させると共にインフレ沈静を示唆するものとして、8月の追加利上げ観測をわずかながら後退させる格好となっている。

 昨日は、07/05に発表されたADPの大幅な雇用増加は計算ミスによるものとの噂でドルが売られる場面がみられたが、市場での短期的なポジションは北朝鮮のミサイル発射継続や、米雇用統計NFPの上振れ警戒などで依然としてドルロング・円ショートに傾斜している可能性が指摘される。

 外為市場で投機的な売買動向を見る際の指標となるIMMファンド筋の円の持ち高は、06/13の週から06/27の週まで3週連続で売り越し額が増加していたことが明らかになっているが、FOMCが開催後の06/29と06/30には取引中心限月の取組高が減少していたため、円ロングの持ち高解消が進展し始めと解釈された。 

 しかし、最新データとなる07/05の取組高はドル高・円安進展と同時に増加に転じており、再びドルロング・円ショートが構築された可能性を示唆している。
さらなるドルロングの構築を促すためには、少なくとも本日の雇用統計でNFPの伸びが20万人を達成する必要があり、ドル買いのハードルが先週から高められてしまっていることや、持ち高解消のドル売りニーズを抱えていることは念頭に置いておきたい。

(7月7日 10:50記)

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