気迷うYen、俄かに動意付くEuro!?

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 週明けのUSDJPYは、注目の日銀短観が業況判断DIの改善と設備投資計画の大幅な上方修正を受けて114.10円へ急落したが、このあと一転して買い戻の流れとなり、NYタイムでは114.95円へ上昇した。 

 先週末に発表された5月の全国消費者物価指数が7ヶ月連続で前年同月比プラスとなり、6月調査(日経平均株価が続落する中でのアンケート)の短観で景気の底堅さが確認され、ゼロ金利政策の7月解除の環境が整ったが、先回り的な円ロングの利食いで114円割れの円高は回避され、このあと国内投資家の円売りフローとクロス円の買いなどで、むしろ円安方向に引き戻された。

 市場関係者からは、「海外勢の円債売却に伴う円売りが出た」との解説が聞かれたほか、今朝の日経CNBCに電話出演した外銀為替ストラテジストは「7月のゼロ金利解除はすでに織り込まれていたため、円安に振れるしかない」との見方を示していたが、昨日のUSDJPYが114.00円と115.00円のどちらの節目も突破できなかったことは、先行き不透明感に伴う気迷い状態にあるとすることができよう。

 日経金融新聞が毎週公表する「円」ブルベアによれば、今週は強気派が110円を突破した05/12以来の高水準となる一方、弱気派は昨年09/09以来の低水準となっており、短観後の114.00円割れは必至の情勢ではあったが、これが回避されたことの反動が出たとの見方もできよう。 しかし、こうした見方の前提となるファンダメンタルズが変化しない限り、潜在的円高圧力として蓄積されていくことになろう。

 但し、日銀の金融政策に敏感な円3ヵ月金利先物は、年内2回の利上げを織り込んだ水準で推移しているが、政府の基礎的収支黒字化に向けた税収予想は名目経済成長率の3%を前提としており、ポリシー・ミックスの観点からは歳出・歳入一体改革による緊縮財政下の国内経済を、引き続き金融政策面でサポートする必要も生じている。
 ましてや、米経済が累積利上げの効果も手伝って減速傾向を強めていくとなれば、外需依存型の成長は期待できず、ゼロ金利解除後の年内2回の利上げ観測も説得力を失ってくる。

 こうした観点からは、当面のUSDJPYは日柄調整的な保ち合いパターンを形成する可能性を念頭に置いておきたい。 この場合、保ち合いパターンの下限は日足均衡表の『基準線』(=114.02円)や『雲の上限』(=113.94円)となり、一方の上限は『転換線』『21日平均線』(=114.93円)や『89日平均線』(=115.15円)とすることができよう。

 一方、EURUSDは1.27㌦Highの下値固めを経て、1.28㌦台に上昇しつつある。
 昨日発表されたユーロ圏6月のPMI製造業景気指数は57.7となり、前月の57.0から上昇し、2000年8月以来の高水準となった。 これに対して米6月ISM製造業景気指数は53.8と、事前予想の55.0を下回ったほか、前月比0.6ポイントの低下となり、2ヶ月連続の業況軟化を示し、米欧製造業の業況格差が一段と鮮明となっている。

 注目されるのが、ユーロの実効為替レートであるECBインデックスが、昨日時点104.85へ上昇し、06/05に付けた高値104.76を上抜いている。 ヒストリカル・ボラティリティーは引き続き低水準にあり、警戒される状況にはないものの、ECBインデックスがEURUSDに先行して6月高値を上抜いている点には注目しておきたい。

(7月4日 11:50記)

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この記事へのコメント

m.m
2006年07月05日 11:43
おはようございます。

7月は楽しいトレードが期待できると思っていたのですが、一気にきな臭くなってしまいましたね。
ECB定例理事会も明日に控えた欧州勢がマーケットにどんな反応を示すか興味深いところです。

ところで月曜日に発表された6月ISM製造業景況指数は53.8と前回をさらに下回り、FOMCので認めた景気の減速をさらに印象づけましたが、その中でも雇用指数が48.7と50を切る大幅な減少となりましたね。
もちろんこの数値がそのまま今週末の雇用統計に結びつくとか考えていませんが、この明らかな雇用状況の悪化を示した指標は今後の景気動向を示す指標に少なからず影響を与え続けていくのではと考えています。

あ、あと余談ですが今日は私としては珍しくユロドルなんかを買ってみてます。米が何か大きなアクションを起こさない限り(と、信じているんですがw)欧州勢はECB政策金利を控えたポジション調整よりも地政学リスクのアドバンテージを取ってくるのではと読んでみた次第です。まあいつも通り明日の6時まで限定のポジションですがw。

今週もどうぞよろしくお願いいたします。
m.m
2006年07月05日 11:46
申し訳ありません。
7/5日付のコメントに書き込みさせていただこうと思っていたのですが…。

関係のない内容の書き込みになってしまいまして本当に申し訳ございませんでした。
mori
2006年07月05日 12:08
こんにちわ、m.mさん

いきなりキナ臭くなってきましたね。
オーバーナイトのポジションは、益々リスク管理が重要となってきています。

 EURUSDは、明日のECB理事会後のトリシェ総裁の会見が最大の注目イベントとなっていますが、ここで夏休み前の利上げ実施のサインを発するかです。

一つ気になるのが、先週はECB理事らから利上げペースと利上げ幅の拡大を示唆する発言が相次ぎましたが、肝心のトリシェ総裁はこの点についていっさい言及していないことです。

EURIBOR(欧州銀行間市場金利)は、6日の理事会での利上げについてはわずかな確率でしか織り込んでいませんが、8月3日の利上げについては、5割強の確率で織り込んでいます。

市場では、一部で50bpの大幅利上げを期待する向きも存在しているようですので、トリシェ総裁がこうした見方に対してどのようなメッセージを発するのかが焦点になると思います。

今週も「楽しいトレード」を念頭に頑張って参りましょうね。
m.m
2006年07月05日 12:38
お忙しい中お返事ありがとうございます。

今週の「森レポート」でもふれられておりましたが、ECB理事の強気コメントに対して肝心のトリシェ総裁が何らコメントをせず理事会を向かえるのはなんだか”しこり”のようなものを残す、いやな感じがしますね。
EURO SELLERさんもおっしゃるとおり、私も”利上げ前に口先介入で、市場に織り込ませておくのがトリシェ流”とのイメージがありましたので、予想外のハト派発言で冷や水を浴びせられる可能性は常に念頭に置いておきたいです。

さらに付け加えるなら、先週の理事のタカ派発言で今月の”サプライズ利上げ”までささやかれているようですので、今月6日、8月の大きな利上げまで期待されている中、少しでも”逆サプライズ”な内容のコメントが発せられた場合、大きく傾いたIMMポジションの持ち高調整が即され、やや大きな動きにつながる可能性もありそうですね。

今週もシートベルトを締めつつ”楽しいトレード”ができるようがんばって参ります。
mori
2006年07月05日 13:07
そうですね。

マーケットの荒波を楽しく乗り切るためには、それなりの工夫が必要となりますが、m.mさんは十分な知識と経験をお持ちのようですから安心していますよ。

m.m
2006年07月05日 13:22
とんでもないです

まだまだオバQの毛が4本になった程度の素人ですので、今後とも道を誤らぬようご教示お願い申し上げます。
EURO SELLER
2006年07月05日 14:14
中央銀行の役割はインフレ抑制と雇用の最大の実現といわれることは多いのですが、かといって為替レートが適正レートを超えて変動することも望みません。ユーロ・ドルが再び1.28を上抜いてきた状況では、トリシェにとって今すぐタカ派的発言をして、1.29台を見るのはうれしくないでしょう。

私の予想では本日のPMI等ユーロ圏の指標は軒並みWC効果があるでしょうから、トリシェは市場を冷ます方向の発言でバランスを取るとのではにかと思っています。1.29半ばまでの急騰を見て、そこからの売りで対応したいと思っています。
mori
2006年07月05日 14:35
こんにちわ、EURO SELLERさん

ここは市場参加者の間でも見解がわかれているところですね。
4日のコメントで重要と思われるものがありますので、以下に掲載しますね。

DIW独経済研究所:
「以前と違って、国内経済の強さがドイツ経済を支えている。それは引き続き極めてダイナミックな展開を続けている輸出以上に、成長に寄与すると思われる」
⇒内需主導の景気回復ということです。

グロス独経済相:
同相は、訪問先のストラスブルクで記者団に対し、「ドイツはこれまで、対ドルでのユーロ高にうまく対処してきた」との認識を示した。

以上、

ECBが重視するのは、ユーロ圏の実効為替レートとなる「ECBインデックス」といわれています。
それも水準ではなく、ボラティリティーを重視しているといわれいます。

トリシェ総裁が「急激な相場変動は歓迎できない」とユーロ高を強く牽制した局面では、ECBインデックスのボラティリティーが高まっている時と一致しています。

さて、今回はどのような発言をするでしょうか楽しみですね。
こんばんは、森さん
2006年07月06日 00:04
東京時間とはえらく様相が変わってきました。軒並みユーロのPMIが上昇したのに、米製造業新規受注にぶちのめされましたか。USD/JPYは116.71-114.10の61.8%まで戻し、EUR/USDも1.27前半に下落しました。明日の発言を楽しみにしましょう。おっと、POR-FRAも見なくちゃあ・・・
mori
2006年07月06日 00:41
こんばんわ

地政学的な緊張や不確実性は全ての材料に優先するといわれますが、有事でドルが買われるようになったとは。
また、製造業受注の上昇にも反応していましたね。ISM指数の方がずっと重要なんですが、市場センチメントが変われば、仕方がないですね。
mori
2006年07月06日 00:52
追伸、
それから、米民間雇用リポートが36.8万人増というのが効いているようですが、週末の雇用統計のNFPの予想は幅が広いですから、週末の一波乱も覚悟しておく必要がありそうですね。

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