米追加利上げ観測の後退もドルは底堅く、円の独歩安が顕著に!?

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 バーナンキFRB議長の半期政策報告に関する議会証言という重要イベントを経て、市場では8月の追加利上げ観測を大きく後退させたが、持続的なドル売りを誘発することなく、むしろドルの底堅さを印象付ける静かな相場展開となっている。 FFレート先物市場では、次回8月FOMCにおける追加利上げを90%以上の確率で織り込んでいたが、足元では利上げ期待の剥落により47%まで大きく低下している。

 4月末にバーナンキ議長が利上げ休止の可能性を示唆した局面では、グローバル・インバランスをテーマとする米政府のドル安容認観測と相俟って容赦ないドル売りを浴びせられたが、現状ではこうした動きや兆候は見られていない。 

 最大の要因として考えられるのは、グローバル・タイトニング(世界的な金融引き締め)や地政学的緊張の連鎖と拡大といったマーケットを取り巻く不確実性要因であり、グローバル・ポートの調整に伴うリスク・アセットの収縮が相対的にドルを底堅くしていると推測することができよう。

 リスク忌避的な投資行動の基本は、既存ポジションの「キャッシュ化」「質への逃避」「ホームバイアス」であり、「キャッシュ化」では金利差が重視され、「質への逃避」では安全性・流動性が重視されてくる。

 そして、「ホームバイアス(自国資産を選考する傾向)」では、資本輸出国が通貨高圧力を受けやすくなるとの経験則があるが、日本の場合は北朝鮮発の地政学的リスクに晒され、日銀によるゼロ金利解除後も緩和的な金融政策が継続するという状況とあっては、海外資産を取り崩す緊急性は薄れてくる。
 今朝財務省が発表した対内証券売買契約状況によれば、7月第2週には外国人投資家が日本株をネットで3,166億円売り越しており、日本からの資金引き揚げの動きを示している。

 こうした状況下、足元ではクロス円主導による円独歩安の展開が続いており、今週は対ポンドで1998円以来の円安水準を5日連続で更新、対ユーロでは発足来の円安水準を2週間ぶりに更新している。

 USDJPYの季節性では、月足の騰落状況が示すように1990年以降は68.8%の確率で陽線を出現しており、2000年以降は昨年まで6年連続で陽線を出現している。 (⇒ドルの代表的な実効相場であるFRBインデックスの季節性は、選挙年の場合は6-7月がドル安、選挙のない年はドル高と正反対の方向を示している。)

 さらに8月の季節性は、月足の陽線率が18.8%と最も陰線を出現する月となっており、1998年から昨年まで8年連続でドル安・円高となっている。
 こうしたデータに基づけば、8月上旬に向けてドル高・円安が進展する余地が残されていることになり、8月上旬に予定されている米欧の金融政策イベントまでは円安地合いが継続する可能性は念頭に置いておきたい。 

 但し、データは8月末に向けてドル安・円高へ転換する可能性を示唆しているため、先回り的なドル売り仕掛けの可能性も留意しつつ、ホットな夏相場を上手く乗り切っていきたい。

(7月21日 11:30記)

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この記事へのコメント

fumikosagawa
2006年07月21日 21:32
moriさま今晩は
お仕事から帰ったら嬉しいことになってました。
売ったカナダやUSDがさがり、EUR/USD
が上昇してました。
なんだか怖かった感覚があたりました。
カナダを3万、102円39銭で買ってみました
読みがあたると為替は面白いですね
暴落がくればEUR・USDは影響を受けない
と思った気持ちも正解でしょうか・・・
ふみこ
mori
2006年07月21日 22:13
こんばんわ、

相変わらず、絶好調のようですね。
調子のいい時は特に問題はありません。
ただ、EntryからExitに至るまでの明確なストラテジーを構築してポジション・メイクをしていかないと安定したパフォーマンスが得られなくなりますので注意してくださいね。
森派
2006年07月21日 22:21
森先生こんばんは。ふみこさんに言いたいのですが、ここは日替り的なポジショントークをする板ではないと考えます。そのポジションメイクに対して何のコメントもしようがないというのが本音です。森先生がそれも良いとおっしゃるのなら話は別ですが・・・
fumikosagawa
2006年07月21日 22:52
森派さま素人すぎてごめんなさい。
なんとなく意味がわかりました。
え~ともう少し全体的なコメントができる
ように勉強していきます。
個人の取引は、大きな流れをのべるように
勉強していきます。
お気をわるくされたようで、ごめんなさい。
ふみこ
rosenkavalier
2006年07月22日 00:35
このコメント欄は、FX取引に関し、プロあるいはベテランの方々の意見が読める貴重な場です。ところが最近、自慢話を披露する人が表れ、プロの方々が登場しなくなり、ちょっと残念に思っています。
素人ストラテジスト
2006年07月22日 23:54
中国が預金準備率を8月15日より0.5%上げの
ニュース、景気減速の目的なら借り手のマインドを冷やす金利上げがセオリー(勿論、米国より中国のほうが金利が低いので、縮小による元高のリスクはアリ)、しかし第2四半期の対前年比年率11%強のGDPプラスの状況!「元売り介入」で市中に供給した莫大な元の非不胎化という現行とも整合しない、しかも6月に続いて。中国政府の何らかのアナウンスメント(米国側の理由)? 8/15の実施で直前の8/10は月齢満月だし(中国経済では重要)。
http://www.pbc.gov.cn
続き
2006年07月23日 00:08
8月8日はFOMCで利上げ終了か示唆?8月11日は日銀ミーテイングで公定歩合0.4から0.5?8月15日は米国債の利払い日、9月20日頃はG7蔵相会議で不均衡是正テーマ、なにより、IMM統計で何とドル円で7万枚以上のネット・ショート(7/18)ポジションの偏り!!

4月頃より何回か投稿させていただきましたがこれで終わりにします。ありがとうございました。。。。
おまけ
2006年07月23日 00:29
訂正

9月20日頃はIMFミーテイングでした。
それと8月15日は米国債利払いの円替えによる円高の特異日。
EURO SELLER
2006年07月23日 02:39
確かに7万枚の円ネットショート(ドルロング)は、昨年12月以来の水準ですが、バーナンキショックで多少は減ったことでしょう。一方、EUR/USDは予想ではバーナンキのおかげで再び6万枚の大台が予想されます。一、二週の間に私の十八番が炸裂するのではと期待しています。その後、もし元切り上げがあるのであれば、予定調和のポジション調整となりそうです。
ポンドが好き勝手にやっている件については、いつものことなので、3万枚後半まではポンドロングを予想します。良い週末を・・・

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