重要イベント控えレンジ取引踏襲も次第に意識されるドルの上値の重さ!?

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 今週は重要イベント前の狭間の週に位置し、米国サイドでは重要指標の発表がないうえ、金融当局者もブラックアウト入りで発言が自粛され、ドルの直接的な支援材料不在の中で次第にドルの上値の重さが意識され始めている。

 USDJPYは、米5月雇用統計ショック時の111.32円(06/02)がボトムとなり、06/05以降は米金融当局者のインフレ警戒発言を受けた追加利上げ観測を背景に今週明け06/19には一時115.78円まで上昇した。

 この間に市場の短期金利見通しを反映するFFレート先物市場では、06/29のFOMCで25bpの利上げの確率が06/02時点の48%から足元では108%へ上昇している。(⇒50bpの大幅利上げの確率を8%織り込んでいる) 
 さらに、8月FOMCでの追加利上げについては、米5月雇用統計発表後には▲20%と利下げの可能性を示したが、06/05以降の突然のFEDメンバーによるインフレ警戒発言を受けて足元では80%の利上げの可能性を織り込んでいる。

 つまり、マーケットは現行5.00%のFFレートが来週のFOMCで5.25%へ引き上げられることを確実視し、さらにその次の8月FOMCで5.50%へ引き上げられることも80%の確率で織り込んでおり、今後2回の利上げを先取りする形でドル買い戻しが進展してきたとすることができよう。

 しかし、好材料をある程度織り込んでしまうと、今度は悪材料に反応しやすくなるのが相場の常であり、すでに織り込んでしまった2回の利上げを正当化するだけのマクロ面での経済指標の裏付けが必要となってくる。

 福井日銀総裁は06/20の講演で、重要なリスク要因として米国経済の動向を挙げ、「これまでのFRBによる金利引き上げの効果が徐々に現れ始めている」と述べていたが、今後発表される米経済指標に対する市場の反応は、好材料を織り込んだ反動が出やすいことは予め念頭に置いておきたい。

 こうした状況下、米債券市場では、再び逆イールドカーブ現象(長短金利の逆転)が発生しており、投資家が米景気の鈍化を予想していることを示唆している。

 また、FFレートの誘導目標が5.25%に引き上げられる一方で、長期金利の指標となる10年債利回りが連日上昇しているにもかかわらず5.159%と、短期金利を下回っており、長期債への安定的かつ持続的な資本流入が期待しづらくなっている。

 米財務省は、来週06/27に2年債(220億㌦)、06/28に5年債(140億㌦)の入札を行う予定となっているが、2年債も5年債も利上げ後のFFレートである5.25%を下回っており、投資家の需要を測る応札倍率を“ドル上昇の持続性”を占う指標とすることができよう。

(06/22 10:30記)

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この記事へのコメント

素人ストラテジスト
2006年06月22日 13:26
こんにちは
自分も「恒常的赤字国」が「高利」な「短期債」でファイナンスという状況になるのは危ういと捉えてます。何年か前の通貨危機のときと同じ理屈がありえるから、勿論「ドル連動」していた国々が「ドル連動」ゆえにHFの投機対象になったことが原因なのでしょうが、考えを変えて「ローカル通貨ドル」が基軸通貨としての信認が危うくなり、連動せざるを得ないグローバルな決裁システムを金融市場で模索した時、米国の巨大赤字は逃げ場が無くなり、何らかの具体的方向を決断しなくてはならない時だと思います。グリンスパーンが長期金利が上がらないのは謎と言っていたが本心は警鐘、朝起きてドルが暴落していなくて安心といっていたが、これは米金融当局者の本音だとおもいます。                      米国は巨大国なので政治・経済の歪みを独善的に正当化していますが、政治はともかく世界経済の方向はボーダー・レスで安全・高イールドを提供できる市場に淘汰されるのではと思います。当たり前ですが、逆もまた真なり!!                       今日も長々と失礼しました。 
mori
2006年06月22日 13:47
ありがとうございます。
4月のIMF非公式特別会合やワシントンG7は、こうした危機感があったからだと思われます。
いずれ遅行指標である米インフレも落ち着けば、ポールソン次期財務長官が市場に次なる方向性のヒントを与えてくれるものと期待しています。

8月のセミナーでは、米政権から主導権を譲り受けるポールソン氏の通貨政策を採り上げる予定です。(スノー米財務長官は米政権のスポークスマンでしかなかった)
その2
2006年06月22日 15:15
米国の長期債の買い手だったオイル・マネー、中国、中南米、ロシアといずれも方向はドル離れ、短期金利上げもインフレを示す指標が終われば経済的合理性はなくなるし、(生産コストに占める労働コストは生産性向上により低下と講演でバーナンキは認めている)原油価格が生産コストを上げるという理由は現状でも多分過大評価(その理屈だと70年代同様のハイパー・インフレになる)。長期債は先細り、短期債もユーロ債の方が有利という状況になり始め、逆イールドだスタグフレーションだなどと傍観している余裕はなくなるのでは、米国は

話は変わるがH.ポールソンが前任のGSの持ち株500億円を売却のニュース、この位持っていれば悪い事は、する気もおきないのでしょうネ。別に誰かが悪い事をしたということではありません!     

度々すみません、独り言ですので返事はご遠慮いたします。。
その3
2006年06月22日 15:42
午前中、ブルムバーグのウェブ・サイトで福井総裁の国会委員会答弁をライブで流していたが、アメリカ系のメデイアは凄い。全国ネットでぜひ放送してほしい。それにしても日本国の金融最高責任者としては間違いなく失格。なにがでてくるか心配!

ゼロ金利終了が経済的合理性なくこれ以上先送りされると、マーケットがドル持ち有利のモードを終わらせたくなくても、新しい巨大な歪みを生じさせない理性がはたらくはず。

(同上)
森先生のファン
2006年06月22日 20:08
M&M吉田恒さんが今日のレポートで米国の早期利下げの可能性を2年債の先物金利で検証していますが、今朝の経済背専門紙でも同様のことを詳しく解説していました(吉田恒さんは森先生の次にファンなのです)。森先生はいかがに見ていらっしゃいますか?                               マーケットは飯のタネに北朝鮮ネタ??
アーア、という感じ!!
mori
2006年06月22日 21:05
吉田さんは2年債で早期利下げの可能性を予想されているんですか。

もし、現在、グリーンスパン氏がFRB議長だったら、6月の利上げはしないかもしれませんね。
バーナンキFRB議長は、前議長と違ってまだインフレファイターとしての市場の信認がないため、タカ派的な発言をすることによって信認を築こうとしていると思います。その目的はただ一つ、来るべき「利下げ」をスムーズにするためだと思われます。

そういう意味で吉田さんの見方と同じかもしれませんね。ただ、政策金利の動向に敏感な2年債で早期利下げの可能性が検証できるとは知りませんでした。
貴重な情報ありがとうございました。
その4
2006年06月23日 00:00
割り込んですみません、それは景気に中立と称される水準に少しでも多くノリシロを確保ということですか?                                   NYタイムに入ってドルの上げが凄い、長期金利の上げに即反応している雰囲気。機関投資家は10年債と何らかの裁定が成立すると買いが一斉に入るプログラムなのでしょう? 「ど素人」 の疑問です。深夜ですのでお返事はいりません、どうも調子悪いです、明日に期待して寝ます。        
mori
2006年06月23日 00:25
嫌な予感ほどよく当たるものです。
USDJPYは今週明け06/19に付けた戻り高値115.78円と符合する日柄面でのポイントが見当たらなかったため、「時間と価格の均衡」という観点からは、ひょっとして未だ終わっていないかもと思いつつ、その時点では軽く流していましたが、今日115円Midを明確に超えてきた段階で「チャートはウソをつかない」と再認識させられました。 
日柄的には06/30まで続く可能性がありそうですですので、超短期売買を除いては値頃感で売り向かわない方がいいかもしれませんね。
その5
2006年06月23日 01:02
ポールソンといえばGS、GSといえば年金運用の老舗、中国の年金システムの構築にもアドバイスの実績。先進国の莫大な年金資金は米国の巨大赤字を安定的にファイナンス可能、米国の10年債が十分な利回りを保証すれば、ドルの目減りをペイできる何らかの裁定勘定が成立できる水準があれば、そういう事だとすると、長期金利を高く誘導する為のFF金利上げ、これからもう一相場??そんなことしたら住宅市場は壊滅、個人消費は失速、ああ判らない、ああ眠れない!!ポールソンとバーナンキのコンビは凄いかも。
EURO SELLER
2006年06月23日 06:31
ここはトイレの落書き場所ではありません。会話が成り立たない書き込みはご自分でブログを開設されてはいかがですか。>そのXさん
DDT
2006年06月23日 10:36
同意ですね。
フェレンギ氏の方が意思疎通が出来ていたと思いますよ。
残念ながら、フェレ氏は森先生に切られましたが。
現在進行中の地政学リスクについては、フェレ氏は詳しいと思われましたので、居ないのが少し残念ですね。
その6
2006年06月23日 11:13
評判悪いので止めます、御免なさい。
mori
2006年06月23日 12:39
こんにちわ
FX-BLOGの時と同じような嫌な予感を感じていましたが、そうなってしまいましたね。
FX-BLOGは今月初めに情報公開を断念しましたが、こちらは長くお付き合いして下さっている方々が多くいらっしゃいますので、うまくやっていきたいと考えています。

 特に、ドルを取り巻く環境が極めて重要な局面に位置していると思われますので、取り敢えず今は分析作業に集中させてくださいね。

これからも暖かいメッセージをお待ちしております。

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