「ゼロ金利解除」は信認回復に向けた試金石!?

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 USDJPYは下値114.25円(06/13)-上値115.78円(06/19)、EURUSDは下値1.2530(06/13)-上値1.2672(16/16)のレンジで形成される中段揉み合い圏での日柄調整の様相を呈している。 

 昨日は、福井日銀総裁の講演での発言をきっかけに7月のゼロ金利解除観測が再燃し、円が買い戻される場面がみられたが、最近の取引レンジをブレイクする決定打にはならなかった。 しかし、この日の総裁発言には、決意表明にも似た幾つものメッセージが込められており、今後の日銀の政策運営を見通す上で重要であると同時に、新たな相場動意を促す手掛かりであったといえよう。

 自らのスキャンダルにより、ゼロ金利解除が遅れるとの思惑が燻るなか、今後の政策運営について「小刻みにゆっくりと対応をする」という原稿に「早期に」を加えた発言を行い、思惑の払拭に努めている。

 また、一部でゼロ金利解除時期に影響を及ぼすと懸念されている株安に関しては、日米欧中銀の金融政策が利上げ方向に足並みを揃えており、「先進国の3つの中央銀行が明確に方向転換した。これを市場が認識すれば、リスクのとり方が少し慎重になるという方向に変わることは当然」と指摘している。
 その上で、「実体経済に影響を及ぼし始めているという情報は見られない。今の株価の下落は、金融緩和が極端に進んでいた時に、株価の上昇が進んでいた分のリーズナブルな調整である」との認識で、“正常化の過程”にあることを示唆している。

 一方、現行のゼロ金利政策について、「過度の金融緩和を続けることは、経済の一時的な過熱とその反動という形で、経済の振幅を大きくしてしまうリスクを内包している」と警告を発している。 ここでは「過度の金融緩和」と表現しているところが重要であり、量的緩和政策は3月9日に解除されたものの、現在のゼロ金利政策は基本的に量的緩和策と変わっておらず、むしろ実質金利はマイナス幅が拡大しているのである。 
 事実、福井総裁は「実質短期金利は、現在マイナスであり、足許3%を上回っている実質成長率や1%台後半とみられる潜在成長率と比較して極めて低い水準」だと指摘している。

 こうした発言からは、金融政策の正常化(⇒ゼロ金利解除)が急務であるとの危機感が伝わってくると同時に、主要各国中銀との政策協調を進めないと、ゼロ金利による過度な金融緩和の弊害(⇒例えば円安)が新たな歪みをもたらす恐れのあることを再認識させている。

 日銀の金融政策に敏感なユーロ円3ヵ月金利先物では、再びゼロ金利政策の7月解除を前提に動き始めており、次なる焦点の「日銀短観」がネガティブな内容にならない限り、次回7月会合でゼロ金利政策の解除が行われるものと観測されよう。
 むしろ、7月にゼロ金利解除を決めないと、「日銀は政府に妥協した」との思惑を浮上させかねず、「ゼロ金利解除」は日銀にとって信認回復に向けた試金石とすることができよう。

(6月21日 11:10記)

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