市場センチメントとレバレッジ・ポジションはドル先安感を示唆!?  

 2006年に入り2週が経過したが、ドルに対するセンチメントは弱気に傾斜し、戻り売りを主流とする弱気相場が形成されている。ドルの対主要通貨相場は、過去4週の騰落率でみると対円の▲5.32%を筆頭に軒並みマイナスとなっている。(⇒円は全面高)

 01/03に公表されたFOMC議事録が、早期利上げ打ち止め観測を一段と強めるきっかけとなり、金利先高感を背景に積み上がったドルロングの投げを誘っている。
 2005年との比較では、「金とドルの逆相関」の復活が挙げられ、イスラエルの政情不安やイランの核開発問題など中東情勢の先行きに対する不透明感が、リスクヘッジとしての金買いを促すと同時に、ドル売りを正当化する格好となっている。

 一方、国内では外国人投資家による日本株買いが継続しているものの、昨年みられた「株高=円安」の構図は「株高=円高」へと転換している。
 加えて、1月第1週には5週ぶりに短期証券を大幅に買い越していることが明らかになったが、海外勢が超低金利の円債投資を活発化する妙味は、現物と先物の裁定取引のほかに、円高による為替差益狙いという思惑が存在する。 つまり、2006年入りに伴う海外勢のニューマネーは、円先高観を背景とする“ダブル・キャピタルゲイン”狙いとすることができよう。

 外為市場で投機的な売買動向を見る際の指標となるIMMファンド筋の対ドル総合ポジションは、クリスマス休暇明けの12月最終週からドルショート構築の動きが進展しており、01/10時点では昨年09/13以来17週ぶりの売り越しに転じていたことが明らかになっている。
 通貨型のヘッジファンドが短期で為替を仕掛ける場合、「5%の収益が一つの目安」とされており、12月最終週の117円Highをドル売りの起点とした場合には112円割れがターゲットとなってくる。

 昨年の外為市場における特徴の一つに個人投資家による積極的な参入が挙げられ、USDJPYが過去25年で最大の上昇率を達成するに至った原動力となってきた。 こうした個人投資家によるFX取引は、東京外為市場における売買高の約20%を占めるほどに急拡大しており、そのポジション動向は極めて重要となっている。

 外為大手取引業者のUSDJPYの顧客売買比率によれば、01/13時点の買い比率は82.3%となっており、01/06時点の84.9%からポジション整理が進展していないことを示している。 年初からの急激なドル安・円高に加えて、ポジションに掛かるレバレッジが含み損を一段と膨張させており、これらポジションがドルの戻り上値を抑える要因になるだけでなく、相場波乱要因となり得ることも念頭に置いておきたい。
海外投機筋は、これら含み損を抱えたドルロングのなし崩し的な投げを狙っているのかもしれない。

(1月16日 00:10記)

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この記事へのコメント

morris
2006年01月16日 02:39
東京外為市場とは?
mori
2006年01月16日 06:42
日銀が売買高として集計し、公表している範囲を指しています。
2006年01月16日 16:46
森先生こんにちは
ユーロが139円を超えてきたので再度売り参戦しました。
高くなっても139円HIが限度だと思いました。
先生のおかげで基礎ができましたので、今度からは全力投球はしないようにしました。
顧客売買比率、非常に参考になり、売り安心も
あります。
mori
2006年01月16日 16:57
さすらいさん
いつもコメントありがとうございます。

過去2週間、本日20時からのセミナー準備のため多忙を極めて参りましたが、やっと一息付けそうです。

ところで、今週は週半ばからクロス円を中心に大きく動くと思われますので、シートベルトの着用はお忘れないよう。

それではセミナー会場に向けて出発しま~す。
morris
2006年01月17日 05:56
日銀への報告する売買高ですと、
報告してくださいと指定している金融機関やブローカー(?)のみの数値ですから、東京時間と重なる、シドニー・香港・シンガポールとの金融機関との取引は含まれません。
 よって、%で考えるのであれば、『かなり』割り引いて考えたほうが良いですよ。
mori
2006年01月17日 08:03
はい、日銀が集計している数値の範囲は承知しています。
今朝モーニングサテライトでは、JPモルガンチェースの佐々木氏が個人投資家のFX取引の売買は東京市場の3割を占めると仰っていました。(因みに財務省関係者は2割程度と見積もっているようです)

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