米利上げ打ち止めを巡る認識ギャップがボラティリティー上昇を通じてドル不安を高める!?

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 1月第1週のドルは、米利上げ早期打ち止め観測を背景に全面安のスタートとなった。
年明け早々に発表されたFOMC議事録(12/13開催)が、FEDの利上げが最終局面入りしたことを示唆する内容となり、早期利上げ打ち止め観測を強める格好となった。
 さらに、注目の米1月雇用統計(01/06)でNFP(非農業部門雇用者数)の伸びが前月比+10.8万人と、事前予想の半分にとどまったことから失望的なドル売りが膨らみ、主要Stop Lossを巻き込んで下落幅を拡大した。 米株式市場では、好調な企業業績や早期利上げ打ち止め観測を背景に主要株価指数が軒並み4年半ぶりの高値を更新した。

 一方、米債券市場では「雇用情勢は概ね堅調」との受け止め方が大勢で、長期金利の指標となる10年債利回りは01/04の4.348%から先週末には4.383%へとむしろ上昇(価格は下落)している。
 12月のNFPこそ事前予想を下回ったが、11月分が速報の+21.5万人から+30.5万人へ大幅に上方修正され、11-12月の平均は20万人を上回っているのである。
 さらに、FOMC議事録で繰り返し言及された資源利用率の上昇に当たる失業率が再び4.9%へ改善したうえ、平均時給が前年同月比で+3.1%へと上昇し、労働需給の引き締まりが賃金上昇圧力を高めていることを示す格好となっている。

 市場の短期金利見通しを反映するFFレート先物市場では、1月末開催のFOMCでの4.50%への追加利上げは完全に織り込まれ、3月については4.75%への利上げの確率が52%と前日の46%から上昇している。 つまり、史上最強のFEDウォッチャーは、FRBの追加利上げに再び信認を与え始めた格好となっており、1月末のFOMCを最後に利上げが打ち止めされるとする見方は未だコンセンサスとはなっていない。

 こうした米利上げ打ち止めを巡る認識ギャップが、市場ボラティリティーの上昇を通じてドル不安を高める格好となっているが、重要な点は勢い付いたドル売りの動きが持続可能であるかどうかであろう。 ハリケーン被害の復興事業がこれから本格化する状況下、先週末はNY原油先物が西アフリカや中東での情勢不安を背景に急反発しており、FRBが現時点でインフレ警戒姿勢を緩める事態は想定しづらい。

 目先的には、米経済指標を手掛かりに一喜一憂する神経質な展開が想定されるものの、持続可能な相場トレンドの方向性は米国のポリシー・ミックスと整合的なマネーフローであることを念頭に置いておきたい。

(1月8日 23:50記)

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この記事へのコメント

2006年01月09日 11:11
森先生おはようございます
USDですが、大きな流れで、ドル安の修正局面であるとすれば、121円台で戻り天井を打ったとすれば、USD/JPYはスタートの75円に向かっているということは考えられないのでしょうか、あ、そこで黄金分割が生きてくるわけですか。最大でも61.8%が・・・

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