世界的な金利上昇局面でのアンカー役を担う「ゼロ金利・円」、G7も政策結果としての円安を容認!?

 円独歩安の展開に拍車が掛かっている。  
 先週の外為市場では、円が主要7通貨に対して連日の年初来円安水準を更新、なかでもNZDJPYは11連騰で約8年半ぶりの円安水準をなお更新中である。
 年初からの変動率では、CADJPYの22.05%を筆頭に、USDJPYの18.13%、NZDJPYの17.00%と続き、これら3通貨は年間の平均変動幅を大きく上回っている。

 先週末12/02は、早朝からクロス取引を中心に円安が進展、USDJPYも欧州勢参入後に動意付き始め、NYタイムでは米11月雇用統計を好感して一時121.24円と2003/03/24以来のドル高・円安水準を示現した。
 この直後には、スノー米財務長官が「G7では円安についても協議」と述べたとするインタビュー記事が配信され、一気に120.19円へ急落する場面もみられたが、米財務省報道官が「長官は円について何もコメントしていない」と否定する異例の声明を発表し、120.60円へ買い戻されている。

 昨年末のドル全面安の局面ではみられなかった光景であり、現在の相場トレンドを追認する象徴的な動きでもあった。
 事実、G7会議に先立って開催された日米財務相会談では円安に関する議論なく、むしろ谷垣財務相は現在のUSDJPYについて「大きな意味でファンダメンタルズを反映している」と述べ、容認する発言をしている。

 G7会議では世界経済の先行きのリスク要因として、①金利上昇局面でのマネーの潮流変化、②原油高に伴うインフレ波及、③住宅バブルのソフトランディング―――などが協議されており、かつてのように円安が議論される状況にはなっていない。

 つまり、世界的な経済不均衡が為替調整によってのみ解決できるものではないことは、昨年までの過去2年間の広範なドル安局面でも立証されており、日本に課せられた課題はデフレ克服により世界経済の成長エンジンとなり得る内需主導の景気拡大であり、これが保護主義的機運の高まりを抑制し世界的な不均衡の緩和につながってくる。 

 また、グローバルな脱ディスインフレへの対応で各国中銀が一斉に緩和的政策の正常化(=過剰流動性の吸収)に動く状況下、マネーの変調が新たなリスク要因として協議されており、世界的な金利上昇局面でのアンカー役としての「ゼロ金利・円」の重責が再認識されたとみることもできよう。

 これは、G7が政策結果としての円安進展を容認していると解釈することもできるが、一方で将来的な円高リスクのマグマを増幅させていることも念頭に置いておく必要がありそうだ。

 米政策当局の優先課題が、インフレ抑制や住宅市場の局地バブル収拾に向けられ、ポリシー・ミックスとしの「ドル高」の役割が組み込まれている限りにおいては、円安進展に伴う恩恵を授かることができよう。

(12月5日 00:20記)

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この記事へのコメント

EURO SELLER
2005年12月05日 05:13
森さん、おはようございます。

スノウ発言は口先でもなんでもなく、市場の反応を意識せずに話した失言の部類でしたので安心してドル円を再度ロングしています。(金曜日は仕切るのをやめたのです。)

USD/JPYは、朝から窓が開いて快進撃中、12月15日までには、122.50ぐらいまで行かないかな。
(EUR/USDはコテハンが泣きたくなるレンジ相場です。70-80PIPSぐらいならとり続けられるけど・・・)

今週もよろしくお願いします。
mori
2005年12月05日 06:52
 おはようございます。
 今週も頑張って参りましょう。
トレンドは引き続き味方をしてくれているようですが、シートベルトの着用はお忘れのないにしましょうね。

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