2大極経済圏の金融引き締め機運が「ゼロ金利・円」の先安感を醸成!? 

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 米商務省が10/28に発表した7-9月期GDP速報値は、前期比年率+3.8%と前期の+3.3%から伸び率が拡大、事前予想の+3.6%も上回った。 
 米大統領経済諮問委員会(CEA)試算による潜在成長率の+3.2%を10・四半期連続で上回っており、統計上では景気の過熱感さえ漂う成長が継続している。 

 一方、総合的な物価動向を示すGDPデフレーターは+3.1%と、前期の+2.6%から加速したものの、FRBが注視するインフレ指標のコア個人消費支出(PCE)価格指数は+1.3%と前期の+1.7%から低下、安全地帯とされる1.0-2.0%に収まっている。

 これにより、FRBがインフレ対応で後手に回るリスクは後退したが、金利先高観が一段と強まり、FFレート先物市場では年内2回の計50bpの利上げを確実視した上で、来年1月末に4.50%へ引き上げられる可能性を82%織り込んだ水準で推移している。

 また、ユーロ圏ではECBが先週末に発表した9月のマネーサプライM3伸び率が前年比8.5%と、ECBが適切とみるM3伸び率の4.5%を恒常的に上回り、03年7月以来の高水準に達しており、早期利上げ観測が高まっている。
 EURIBOR金利先物は、年内の25bp利上げと2006年半ばまでの合計50bp利上げの可能性を約70%の確率で織り込み始めている。

 一方、量的緩和解除の地ならしを強化する日銀は、今週明けの金融政策決定会合で「展望リポート(経済・物価情勢の展望)」を公表する。
 05年度のCPI(消費者物価指数)を従来のマイナス見通しから、前年度比ゼロ%か+0.1%に上方修正するとみられている。

 CPIは今後の量的緩和解除の時期を探る上で注目が集まるが、その条件には「安定的にゼロ%以上になること」を挙げており、仮に11月発表のCPIがゼロ%を超えたとしても、安定的に3ヶ月程度の推移を見極める必要があり、最短でも来年3月の解除となってくる。

 つまり、これ以上の解除観測の前倒し余地は残されていないことを意味するが、こうした中で先週末に発表された9月鉱工業生産は市場予測を下回り、踊り場が予想外に続いている可能性を示すなど、先行きに対する不安要因が浮上している。 

 量的緩和解除の「来春説」が完全に織り込まれた状況下では、むしろ解除シナリオが「後ズレ」する場合の影響も想定しておく必要がありそうだ。

 FRBの「Measured利上げ」はほぼ既定路線であり、11/01のFOMCでは12回目の25bp利上げにより累積利上げは300bpに達するが、米国の継続的な利上げ局面(=ドルの過剰流動性吸収)ではリスクマネーの収拾(⇒質への逃避)を通じてドルの上昇圧力をもたらす可能性も想定されてこよう。

 また、米欧2大経済圏の利上げが、「ゼロ金利・円」の調達通貨として役割を際立たせるうえ、米欧の金融引き締め機運が世界的な株安や景気減速を招く場合には、早期利上げの必然性が最も乏しい日銀の「アンカー論」を高めることになり、持続的な円安進展を促す可能性のあることを念頭に置いておきたい。

(10月30日 23:50記)

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