今後の相場展開を占う連立方程式: 「Measured利上げ」+「量的緩和解除」=「   ?   」 

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 USDJPYは、108.75円(09/05)を起点に7週間に及ぶ上昇トレンドを形成しており、先週末10/21には2年1ヶ月ぶり高値水準となる115.98円へ再浮上、115.90円でNYクローズを迎えている。

 著名アナリスト等は、9月序盤から一斉に(1)「カトリーナ・ショック」を根拠とする米利上げ休止観測、(2)日本の景気回復や株高局面での持続的な円安懐疑論、(3)日銀政策メンバーによる「量的緩和解除」に向けた地ならし、(4)G20会議(10/15)に向けた人民元の再切り上げ観測、(5)IMMファンド筋が抱える膨大な円ショートの持ち高解消ニーズ、―――といった円高解説を繰り返した。

 筆者は「同調意見」よりも「反対意見」の根拠を重視するが、これらがドル安・円高の主な根拠となっていたため、市場環境の変化を背景とする大勢での「ドル安修正局面」といったメインシナリオの訂正又は放棄する理由はないと判断し、むしろ円高解説をけん制した。

 問題は現在の115円Highが「天井圏」それとも「通過点」なのかという判断になるが、その回答を導くのは「Measured利上げ」+「量的緩和解除」という連立方程式であろう。

 FRBによる「Measured利上げ」の本来の目的や、「累積利上げ」の影響については幾度も取り上げてきたため本稿では省略するが、広範なドル安を促した昨年までとは市場環境が大きく異なっていることが重要となってくる。
 FRBの喫緊の課題は、「インフレの抑制」であり、「慎重なペースによる利上げ」と整合的なドル高にバイアスが掛かりやすくなっている。

 一方、国内では日銀政策メンバーによる「量的緩和解除」に向けた“地ならし”発言が強化されているが、「量的緩和解除=円高」ではなく、むしろ「ゼロ金利」からの再スタートであることを認識しておく必要があろう。

 円3ヵ月金利先物の利回り局面は、06年4月頃の「量的緩和解除」を織り込んだうえで、同年12月頃までは「ゼロ金利」が続くことを想定している。 

 そもそも、日銀が量的緩和策を解除する条件の一つにはCPIの前年比上昇率が安定的にゼロ%以上になることを掲げているが、CPIが「マイナス」から「プラス」に転じる局面では、名目ゼロ金利は実質金利ベースでは「マイナス」になる。

 つまり、今後CPIが上昇する過程では、円の実質金利はむしろ低下することになり、金融不安やデフレ経済下で委縮してきた膨大な“ジャパン・マネー”が一斉に活性化(⇒ポートフォリオ・リバランス)することを意味する。

 市場テーマの基本は、経済的な変化やその過程で生じた歪みや不均衡であり、現状は日米金融政策が正常化に向けて動き出した大転換期であることを認識しておきたい。

(10月23日 23:40記)

身近なネガティブ・インディケーター!?
 某大手外為証拠金取引会社が公表しているドル/円の売買比率(残玉比率)は、10月21日時点で買残玉:売残玉が45.7:54.3となっている。
 10月12日時点の42.6:57.4からの改善はわずかであり、売り方が含み損を抱える状態に大きく変化はない。
 多数派の損切りに乗じて儲けることを狙っているプロのディーラーやヘッジファンドは、こうしたポジションが残存する限り現在のドルロング戦略を放棄することはないかもしれない。
 ドルショート派がギブアップするまでは、現在のドル高・円安は続く可能性が高いといえよう。

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