大相場を予感させる2003年9月の逆パターン!?

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  USDJPYは大方の予想に反して先週末からの調整を一時的にとどめ、再び115.円台へ上昇、2003年09/19以来の高値水準を更新してきている。
 これが「2003年9月の逆パターン」であるならば、『中期ストラテジーは115円以下の成行買い!?』がワークすることになる。

 先週末、マーケットに携わる友人から「ここは一先ず調整が入るだろうが、巷の掲示板などでは短絡的な“天井説”を唱える連中で賑わっているから、“踏み上げ”(⇒売り方の損失覚悟の決済)相場の可能性も否定できないぞ」と聞かされていたが、昨日の欧州タイムの英銀によるドル買い(⇒ヘッジファンドのオーダー?)がショート・カバーと相俟って114円Highへ上昇した原動力となった可能性は否定できない。 

 筆者は週末のレポートでテクニカル面での調整入りを示唆する3つのシグナルを掲げたが、その内の2つであった『上昇トレンドライン』(=113.63円)と『転換線』(=114.06)はNYクローズベースで割りこむことなく、結果的に“売りシグナル”を点灯するには至っていない。 
 残る一つは10/19の「一期一節」による“日柄面での調整”であり、これは明日の動向を慎重に見極める必要がありそうだ。

 唯一の救いは、今週のUSDJPYのストラテジーを「売り」ではなく「様子見」としたことであるが、それでも広範なドル安が進展した昨年とは市場環境が違うと言及し続けた筆者にとって、絶好の押し目買いチャンスを見逃すようなストラテジーを提示したことは心苦しいばかりである。

 今回、筆者が調整局面入りの可能性に拘った最大の要因は、新興市場国のトリプル安にみられた手仕舞い相場とIMMファンド筋の『スイスフラン』のポジションの激変であり、USDJPYにも一時的な利食いが促される可能性が高まっていると判断してしまったことである。

 ただ、一部のアナリスト等が指摘する「IMMファンド筋の『円ショートポジション』が99年5月以来の高水準に膨張しているため、自らの重みに耐え切れず持ち高解消が促される」などとする見方はなかった。

 何故なら、筆者は18年ほど前に約7年間、U.S. Futures Businessのバックオフィスの責任者として、『Commitments of Traders Report』の集計データとなる建玉報告などに直接携わっていた経緯があり、同統計の分析に関しては経験則としてのバックグランドを有しているからである。

 理解しやすい例を一つ挙げるとすれば、IMMファンド筋のポジション動向にはいくつかのパターンが存在しており、相場トレンドによってこのパターンが大きく変化しているということである。

 相場トレンドは、市場エネルギーのバロメータである総取組高の増大を伴っており、これに歩調を合わせる形でIMMファンド筋のポジションも積み上がるため、過熱感は名目的な持ち高ほど高まっていないことになる。(⇒総取組高100に対する30のポジションと、総取組高200に対する30のポジションでは過熱感は全く異なってくる。)

 IMM日本市場の総取組高(1枚=1,250万円)は、最新データとなる10/14(⇒総取組高は1日遅れ)時点では196,294枚と取引中心限月が12月限に移行した09/19の126,138枚から+55.6%の増加と、この間のドル高トレンドを追認する形で増え続けている。

 直近の総取組高のピークは06/10の229,951枚、そして昨年12/06の244,767枚というデータがあり、現状196,294枚は拡大余地が残されていると考えることもできよう。

 本日のマーケット・コメントはUSDJPYにだけ言及しているが、昨日の動向はドル全面高であって円全面安でもある。

 これは、米国での275bpに及ぶ累積利上げとドルの過剰流動性吸収というパラダイムシフトに、日本の内需主導による景気回復に伴う為替需給面(⇒貿易黒字の激減)での円高圧力の後退と、『流動性の罠を抜け出したジャパンマネー』の活性化が加わっており、数年ぶりの大相場を予感させる状況とすることもできよう。

 こうした市場環境は、短期売買を繰り返す投機筋にとっても、ドルロング・円ショート戦略が極めて有益であるということになり、押し目らしい押し目もなく緩やかながら長期的なドル上昇トレンドが形成される可能性は念頭に置いておきたい。

(10月18日 10:35記)

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この記事へのコメント

フェレンギ
2005年10月18日 11:57
こんにちは。
あまり気にされなくても宜しいのでは?
森さんの分析を読んでいる人は既にドルロングポジションは構築済みと思います。
私も既に構築して保有済みですが、ただ今回の場面で買い増しが出来なかったことが残念でした。
しかし、大勢においては満足な結果です。
後は下がれば買いを心掛けようと思います。
取り合えずは115円割りませんかね?(笑
mori
2005年10月18日 12:33
 ありがとうございます。
ただ、相場分析をライフワークとしているものにとって、この重要な局面でノイズに惑わされてしまったことを恥ずかしく受け止めています。

 ところで、115.00円は頑強な岩盤になった可能性があります。
 輸入企業による為替予約の一部に、「115円以下」という条件付のノックアウト・オプションが少なくないといった指摘もあり、こうした実需のドル買いが115円の下値を固くする要因になるというものです。
 また、輸出入企業のリーズ&ラグズ(為替相場の売買の時期を早めたり遅くしたりする動き)が、昨年のドル安・円高局面とは逆パターンで、輸入のドル買いが先行することになるわけです。
 今週の『FX-Technical outlook』P.5-7にはUSDJPYの中長期テクニカル分析を掲載していますが、ドル安修正局面としてのCollection Waveという位置付けで121円処を試す展開は想定しておく必要があるかもしれませんね。
 
フェレンギ
2005年10月18日 13:21
どうも、ご解答ありがとうございます。
115円が岩盤になったと言う御意見、私も同感です。
今回の115円再ブレイクのパターン(オセアニアの値の薄い時間帯を狙うと言うのはドバイショックの逆パターンを連想します)その後の滞空時間を見ても前回の115円乗せとは明らかに違うと見て取れます。
ただ、こういったパターンの場合、東京勢が群がってくるはずなのが、あまり群がって買いが入ってこないのが少し気になるところですが。

今晩の対米証券投資の数字如何によって115.50pを抜いてくれば今週中にも116円オーバー、ことによっては117円も顕示してくるのではないか?と期待は膨らみます。
この時期に、116・7円を顕示してくれば12月第一週には森さんは121円処と仰いますが、121円オーバーと捕らぬ狸の皮算用が始まってきます(笑
mori
2005年10月18日 13:33
 どこまでドルが伸びるのか分かりませんが、米政策当局者はスピード違反さえなければドル高はポリシー・ミックスの観点からWelcomeでしょうから、流れに逆らうことなく“Trend is your friend”でいきたいですね。
 私はGBPJPYの201円Lowの買いしか保有ポジションがなかったため、先程、USDJPYの115円突破記念で少々買っておきました。
記念に買ったわけですからしばらく手元に置いておこうと考えています。
フェレンギ
2005年10月18日 14:03
森さんクラスの方も記念買いをするのですね。

ご助言、ありがとうございます。
自己の欲望をコントロールして流れに乗ることを心掛けます。
アメリカ政策担当者が少しばかりのスピード違反は大目に見てくれますように(笑
フェレンギ
2005年10月18日 18:16
森さん、スピード違反じゃないですか?これ
対米証券投資前に115.80p付けに行きました。
私の予想より早すぎます(慌
mori
2005年10月18日 18:32
 これまでのUSDJPYのボラティリティーが低すぎた反動なのでしょうか?
 2003年9月以来のドル高・円安ですから、水準に関係ない機械的なドル買いが出ているのでしょうね。
 そこに、多数派の損切りに乗じて儲けることを狙っている短期筋が値動きを増幅させているのではと解釈しています。
 こういう局面ではスペックのドルの売り手がギブアップするまで上がっていくのでしょうね。
 因みに、日本の通貨当局はUSDJPYが1-2日で2-3円、1週間で5-6円動くと、口先介入が入るといわれています。
 現状では、円安進展による長期金利のさらなる上昇を警戒していますので、渡辺財務官からけん制が入りそうですね。
それでも115円台突破記念に買ったポジションは、Thanksgiving Day(11月の第4木曜日)まで保有する予定です。
mori
2005年10月18日 18:59
2003年9月ドバイG7前に115円を割り込んだ時は、1回目はダマシ的に戻りましたが、2回目は本物で、今まで115円台を回復することができなかったわけです。
 今回はその逆パターンとなっています。
先週13日の1回目の115円乗せは滞空時間が短く、多くが一時的な調整局面を想定したわけですが、今朝の2回目の115円乗せは先週の動きとは異なっています。
 これが2003年9月の逆パターンであるならば、私が反省を込めて昼前に買った115.36円のポジションは報われるはずです。
 「値頃感のジレンマ」に従えば、現在のUSDJPYが116円台に乗せてくると、いま高値警戒感を持って様子見をしている人たちも116円を割り込んだ局面では押し目買いに動くでしょうから、115円突破記念の買いポジションは安泰ということになります。
 これが、「大台突破記念の成行買い」という一見無謀に見える売買戦略の真相です。
「森トレーディング語録」より
fujii
2005年10月18日 21:42
初めまして!藤井と申します
今年に入ってから森さんのブログ拝見させていただいています。まだ初心者で昨年までは損失を出していましたが森さんに出会ってからは確実に収益がプラスに反転しました。
この場を借りてお礼申し上げます。
 今日、出社前にレートチェックしていましたら115.10を上に抜けてきましたので115.12で小額ですがポジション持つことが出来ました、これも的確な森さんのレポートのお陰です。
 ブログの運営大変だと思いますが、これからもよろしくを願いします。
mori
2005年10月18日 21:52
 藤井さん、はじめまして
私よりもコストの良いポジションですね。
藤井さんが、「値頃感のジレンマ」に囚われることなくご判断されたことが結果として結び付いていると思います。
 私も非常に嬉しいです。こちらこそよろしくお願い致します。
フェレンギ
2005年10月19日 02:32
今日は、大変丁寧且つ、仔細にいたる解説ありがとうございます。

対米証券投資がとても良い数字の割には116円ブレイクが果たせなかったのは意外でした。
あの付近にもオプション防衛があるのでしょうか、良い数字だっただけにブレイクが成就出来なかったのは残念です。
しかし、失望売りも無く少し急ですがサポートライン形成されているようも見えます。
明日へ期待ですね。

いつもお世話になり感謝の言葉もありません。
ありがとうございます。

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