“収穫の秋”をテーマとするグローバルな手仕舞い相場がドルロングの一時的な利食いを促す!? 

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 「米9月コアCPIは前月比+0.1%(事前予想+0.2%)」―――インフレ加速に身構えていた米株式市場は安堵感から買い戻しが入ったが、米債券市場は4日続落(金利上昇)となった。

 外為市場では、米9月コアCPIがインフレ安定を示したことをきっかけにドル売りが進展しており、早くも米金利先高観の後退という解説まで飛び出すなど、ドル高基調の転換を囃す活字が躍り始めている。

 しかし、市場の短期金利見通しを反映するFFレート先物市場では、こうした勇み足的な解説とは裏腹に年内2回の計50bpの利上げをほぼ確実視したうえで、来年3月FOMCでの4.50%(現行は3.75%)への利上げを92%も織り込んでいるのである。

 つまり、米金利先高見通しについて大きな変化が生じているわけでなく、現段階ではあくまで短期筋主導による持ち高調整的なドル売りが進展したものと捉えておきたい。
 むしろ、米金融当局者が一斉にインフレ警戒姿勢を強化していることは、物価安定へのコミットを通じたFRBの信認を高めることにつながり、グリーンスパン議長退任後の政策運営をより明確化させることにもなる。

 こうした要因は、いずれもドルに対する信認にもつながり、現段階では基調転換や持続的なドル売りを促す状況ではないことを念頭に置いておきたい。

 一方、既報通り10月相場は『株価暴落』のアノマリーが存在するが、「世界の主要株価指数の騰落率グラフ」が示すように9月末からは軒並みマイナスとなっている。
 米主要3株価指数先物のファンド筋の持ち高は、10/11時点で売り越し額が再び拡大していることが明らかになっている。

 FRBによるインフレ警戒を背景とする金利先高観や流動性の絞り込みが、ミューチュアル・ファンドの決算月と相俟って、リスクマネーによる“手仕舞い相場”を促しているものと観測することができよう。
 こうしたグローバルな手仕舞い相場は、流動性の低い市場から行われるのが基本であり、現状においても新興市場国の株価下落率が最も大きいことがわかる。

 米9月コアCPIがインフレの安定を示したことにより、ポジション調整の範囲を超えた手仕舞い相場が加速するリスクこそ後退しているが、タイミング的にはヘッジファンドなどの決算も迫りつつあり、「収穫の秋」をテーマとする手仕舞いが優先される可能性は想定しておきたい。 

 為替市場においても例外ではなく、USDJPYの場合であれば108.75円(09/05)を起点とするドル高が10/13に付けた約2年来の高値115.10円で+5.84%の上昇率を達成しており、手仕舞いの目安とされる「+5%収益」に従えば利食いが入るタイミングでもあろう。 

 しかし、これまで当レポートで取り上げてきたように広範なドル売りが進展した昨年までとは「市場環境」や米国の「ポリシー・ミックス」は大きく異なっており、“ドル高基調の転換”や“なし崩し的なドル安”を促す局面ではないことを念頭に置き、冷静に経過を見守っていきたい。

(10月16日 22:40記)

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この記事へのコメント

mori
2005年10月17日 10:26
<今朝のロイター記事より>
新興国の債券市場が今月に入り3.15%安、今週も下落基調が続く見通し
[2005/10/17 10:16:24]
新興国の債券市場が今月に入って3.15%下落している。月初に過去最高値を付けたものの、その後利食い売りが続いており、今週も下落基調が続くと予想されている。

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