「カトリーナ・ショック」が一時的なドル不安を助長するも米国のポリシー・ミックスはドル高を示唆!?  

画像
 米ドルの代表的な実効レートであるFRBインデックス(Major Currencies)は、02年2月の112をピークにして昨年12月末の80.11まで約28.5%のドル安が進展した。
 2年10ヵ月に亘る長期的なドル安の背景には、米国の膨大な『双子の赤字』など構造問題や、FRBによる緊急避難的な金融緩和策に伴うドルの過剰流動性が挙げられよう。

 このFRBインデックスは、足下でこそ「カトリーナ・ショック」の影響に伴い小緩んでいるものの、7月には一時86.51と昨年末の安値から約8%のドル高が進展している。
 これは、昨年6月のFOMCを起点とするFRBの“累積利上げ効果”という市場環境の変化を最大の要因とすることができよう。

 米金利上昇は、グローバル・マネーにとって以下に示すような影響力を持っている。
①インターバンク等の短期資金の米国への流入を促す。(⇒金利志向)
②ヘッジファンドなどにとってレバレッジ・コストの上昇につながる。(⇒戦線縮小)
③米国外投資家のドル債投資の為替ヘッジ比率の低下要因となる。
④米国投資家の対外投資の為替ヘッジ比率(=ドル買い)の上昇要因となる。
⑤米企業の海外利益の母国回帰を促す。
⑥投機筋のベース・ポジションのドルロング傾斜を促す。

 つまり、昨年まで良好なパフォーマンスを計上してきたドル安をベースとする投資戦略が、米短期金利上昇という市場環境の変化に伴い軌道修正を余儀なくされたという解釈になろう。
 足下のFRBの継続的な利上げスタンスを巡っては、「カトリーナ・ショック」に伴って“利上げ休止観測”が燻っており、市場の短期金利見通しを反映するFFレート先物市場では09/20のFOMCでの25bp利上げこそ78%の確率で織り込むものの、依然として年内3回のFOMCのうち1回の利上げ休止を想定していることを示している。

 しかし、エネルギー価格が一段と高騰する状況下では、米国のポリシー・ミックスが03-04年のデフレ回避に向けた「超低金利」+「ドル安」から、インフレ抑制・局地バブル収拾に向けた「金融緩和の解除」+「ドル高」に傾斜しており、「カトリーナ・ショック」に伴うドル安は持続不能であることを念頭に置いておきたい。

(9月12日 00:45記)

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック