米金利先高観がリスクマネーの母国回帰など様々なチャネルを通じてドル買い戻しを促す!?

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  8月相場もいよいよ今週央をもって終了となり、国際政治イベントが集中する『通貨の秋』の9月相場を迎えるが、これまでのところ『ドル安進展のアノマリー』を踏襲する格好となっている。

 当レポート08/01号では、『8月相場のアノマリー』を取り上げ、今年は2002年型の反発パターンをイメージしてドルの“戻り売り”局面を捉えたいと述べた。
 2002年型(⇒2000・2001年も同様)は、8月乃至9月にドルの安値を示現するものの、このあと年末に向けてドル高基調を辿るという相場パターンを示す。

 また、ドルの代表的な実効レートである『FRBインデックス』(Major Currencies)のシーズナル・サイクル(奇数年)でも、8月は6-7月のドル高局面から一転して伸び悩み、国際会議が集中する9-10月に向けて一段のドル安となる変動パターンを有している。
 近年では、2003年が奇数年(選挙の無い年)の平均的な変動パターンを辿っているが、2001年型のように米リスクマネーの母国回帰などにより年末に向けてドル高基調を辿るケースも存在するのである。

 2005年の場合は、後者の年末に向けてドルが上昇するパターンが想定されてこよう。
 その最大の要因は、FRBによる漸進的利上げの継続と米国雇用創出法(内国投資促進条項)に基づく海外利益の母国回帰を挙げることができよう。

 そもそも、昨年6月を起点とする米利上げは、景気循環に対応した従来の金融引き締めとは異なり、ITバブル崩壊やデフレ懸念で対応した“緊急避難措置”の解除(正常化)であり、米住宅市場などの局地バブルの収拾に向けたリスク管理政策に向かっている。
 このことは、イールドカーブの正常化が図られるまでは漸進的利上げが継続することを意味しており、市場の短期金利見通しを反映するFFレート先物市場でも現行3.50%から年内の4.25%への利上げを60%の確率で織り込み始めている。

 米金融政策は、グローバル・マネーに多大な影響力を持っているが、ヘッジファンド破たんなど過去の金融危機の多くは金融引き締めと連動してきた。
 足下では、世界的な株高基調に変調の兆しが生じているが、中南米や東欧では株価がこの2年間で3倍に上昇しているところが多く、新興市場が金融危機のトリガーを引く可能性は否定できない。

 外為市場で投機的な売買動向を見る際の指標となるIMMファンド筋の持ち高では、メキシコペソのロングポジションが急減していることが明らかになった。 
 08/17に発表されたはメキシコの4-6月期GDPは政府予想を大きく下回り、08/26にはメキシコ中銀が経済下支えのため3年ぶりに金融緩和に踏み切ることを表明したが、経済の変調をいち早く察知した投機筋が手仕舞い相場に動き始めた可能性が指摘されよう。

 08/26のグリーンスパンFRB議長による講演では、資産バブルへの警告が強いトーンで発せられ、米株式・債券は売られたがドルは買い戻されている。
 これは米リスクマネーの母国回帰など、米金利先高観が様々なチャネルを通じてドル買い戻しを促し始めた兆候でもあり、各マーケットの動向を注視していきたい。

(8月28日 23:50記)

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