人民元切り上げは“良好な第一歩”か“波乱の幕開け”か、中国当局の“次なる一手”次第に!? 

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  中国は1994年以来11年ぶりに為替制度の改革に踏み切り、人民元の対ドル為替相場を約2%切り上げるとともに、従来のドル・ペッグから通貨バスケットに準拠した管理フロート制に移行した。

 1㌦=8.2760-8.2800元でほぼ固定していた人民元の対ドル相場は、07/21(日本時間20時)に8.1100元に約2%切り上げ、前日の終値を基にした中心レートの上下0.3%を日々の変動許容幅とする旨を発表した。

 『柔軟な為替制度』の仕組みとして、『変動幅拡大』と『通貨バスケット』方式が挙げられているが、これまでも制度的には上下0.3%の変動は可能だったが、実際には人民銀行が介入してほぼ一定に保つ事実上の『固定相場制度』が採られてきた。

 人民元切り上げ初日となった07/22の上海外貨取引センターにおける人民元相場は、取引終了間際にまとまったドル買い・元売り注文が入り、終値は1㌦=8.1111元と07/21の中間レート(=8.1100元)から0.0011元のドル高・元安で取引を終えており、為替安定が優先される格好となっている。

 『通貨バスケット』方式についても、構成通貨の変動とともに人民元相場が柔軟に動く制度なのか、実体は変動幅抑制のブラックボックスとなりかねず、中国当局が今後どのように新制度を運用するのか不透明で、“次なる一手”待ちの状況となっている。

 つまり、キャスティングボードは引き続き中国当局が握っており、市場関係者は日々の人民元相場の動向だけでなく、中国経済のマクロ指標や要人発言にも目配りする神経質な対応を迫られそうだ。

 当面の焦点は、中国当局による追加切り上げのタイミングと幅となってくるが、07/21の中間レートからほとんど変動のない状態が続く場合には、米欧サイドから政治的圧力が再び高まる事態も想定されそうだ。
(⇒米国では06年に中間選挙を控えており、議会で政治的圧力が高まりやすい状況となっている。)

 『ドバイG7』以降、「柔軟な為替変動の必要性」が世界的な不均衡是正に向けた主要テーマの一つとなる状況下、9月初旬の胡錦濤国家主席の訪米や9月下旬のG7会合など重要政治日程に向けて、人民元相場を巡る波乱はまだまだ続くことになりそうだ。

(7月24日 22:00記)

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