Bloomberg TV : 「チャートの鉄人」 〜為替見通し〜
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作成日時 : 2005/07/08 10:13
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■Chart1. 米ドルの対主要通貨相場の年初来動向: ドル全面高の背景を考える
昨日のロンドンでの同時爆破テロを受けて、リスク忌避的なドル売りが加速する場面もみられたが、NYタイム中盤には市場は落ち着きを取り戻し、ドル高基調を覆す動きには発展しなかった。
今回のテロでは、国際テロ組織アルカイダの関与が指摘されていることから、ドルも相応のリスクプレミアムを織り込む必要が考えられるが、主要通貨相場の動向を見るとドルは引き続き年初来高値圏で推移しており、テロによってトレンドは変えられないことがわかる。
ドル全面高の背景については、複合的な要因が挙げられているが、特に『スイスフラン』に対しての上昇率が顕著となっている。
スイスフランという通貨は、伝統的にインフレ率が低く政治リスクも小さいことから『ラストリゾート通貨(安全資産)』としての側面と、超低金利通貨であることから『調達通貨』としての側面を有している。
スイスフランが上昇する時は、世界の資本の流れがリスク回避型になっている時を示す一方、現在のように下落基調にある時は、キャリー・トレードが活発化している可能性のあることを示す。
スイスは日本と同様に超低金利国であり、現在の政策金利は0.75%となっている。
『金利相場』の最大の特徴は、相場トレンドの持続性であり、経験則では大相場に発展することも少なくなく、そのカギを握るのが『キャリー・トレード』の行方となってくる。
■Chart2. IMMファンド筋: 『スイスフラン』は対ドルで過去最大規模の売り越し
外為市場で投機的な売買動向を見る際の指標となるIMMファンド筋のポジション状況を見ると、『スイスフラン』が売り主体の筆頭であることが分かる。
『スイスフラン』は、ファンド筋の先行指標としても知られており、こうしたスイス売りが主導する形で『欧州通貨売り・ドル買い』のポジションが構築され、『日本円』もショートポジション構築の動きが拡大している。
昨日のLDN同時爆破テロ後には、ショートポジションの一部が買い戻されたという解釈になろう。
目先的には、一方向に大きくポジションを傾斜させる動きが抑制される可能性は否定できないが、市場が平静を取り戻すに連れて既存トレンドに回帰していくものと観測される。
円ショートポジションの拡大は、先行きの円高進展のマグマでもあるため、急速に積み上がる場合は要注意となるが、市場エネルギーのバロメータである総取組高が増加基調にある局面では、トレンドが持続することを念頭に置いておきたい。
■Chart3. ドル/円週足終値と55週移動平均線(乖離率): 長期ドル安修正トレンドの始まりを示唆
週足終値が55週移動平均線を明確に上回った局面では大きなドル安修正トレンドが発生している。
『プラザ合意』以降では今回が4回目となる。
また、前回99年末に大底を形成した局面では、『日々線』と『移動平均乖離率』に“逆行現象”が見られ、その後の55週移動平均線の上方ブレイクによる買いシグナルの精度を高めていたが、今回も同様の逆行現象が2004年末に見られていたという共通点が存在している。
そして、最も重要なポイントは、55週移動平均線の方向性であり、長期的なドル上昇トレンドが形成される局面は55週移動平均線が上向きに転じる時とタイミングが一致していることである。
今回の場合は、6月末にはじめて55週移動平均線が上向きに転じていることから、長期的なドル安修正トレンドはようやく始まったところであるとの認識が必要なのかもしれない。
(55週移動平均線は7月7日NYクローズ時点で107.20円に位置、乖離率は4.67%)
■Chart4. ドル/円 週足一目均衡表: 短期的には今週末のNYクローズの着地点に注目
ドル/円は、2001年1月の米利下げから1年のタイムラグを経て長期ドル安トレンドが進展した。
そして、2004年6月の米利上げから1年のタイムラグを経てこれまで強固なレジスタンスとなってきた『抵抗帯』の上限を突破している。
この『抵抗帯』は2002年6月に割り込んで以来、2年10ヵ月に亘って戻り上値のすべてを跳ね返してきた強固なレジスタンスでもあった。
・昨年来高値114.90円(05/14)⇒年初来安値101.67円(01/17)の61.8%=109.85円をすでに突破
現状では、2002年1月からの長期ドル安の修正局面と位置付けられることから、当面はフィボナッチ・ポイント38.2%の114.48円処を試す展開を想定しておきたい。
目先的な焦点は、NYクローズの軌道を示す『遅行線』が112.05円を維持できるかどうかということであり、今週末のNYクローズの着地点が112.05円を上回っている場合は視界が一気に広がることになろう。(⇒一段の上値余地の拡大を意味する)
ちょうど本日は、米6月雇用統計が発表される。事前予想はNFP(非農業部門雇用者数)が+18.8万人、失業率が5.1%となっており、予想通りであればドル買い安心感がさらに広がることになり、昨年7月29日の戻り高値112.49円処を試す展開が想定されてこよう。
(⇒112円Midにはオプション防戦売り)
仮にコンセンサスを下回ったとしても、雇用統計は遅行指数であるため(ネガティブ・サプライズでない限り)押し目買いの好機として捉えられることになろう。
(⇒つまり、持続的なドル安にはならないという見方)
FRBによる昨年6月を起点とする一連の利上げの目的が、2001年以降に実施した緊急避難的な超金融緩和の正常化であるとすれば、米住宅市場の局地バブルなど副作用の収拾に向けたイールドカーブ(利回り曲線)の正常化が促されていくものと観測される。
こうした米金利先高観が、昨年までのドル安対応の各種ヘッジポジションの巻き戻しや、米国雇用創出法(内国投資促進条項)に伴う資金回帰が促され、ドル上昇の原動力となってこよう。
■Chart5. 価格帯別の滞留日数グラフ: 取引滞留日数の少ない真空地帯に突入
価格帯別の滞留日数のグラフでは110円という最もシコリの多い価格帯を突破したしたことで、今後は逆にこの価格帯がサポートエリアとなっている。
足下では、シコリの少ない“真空地帯”に突入しているため、短期間に115円処に向けて上昇ピッチが加速する可能性も念頭に置いておきたい。
過去の例では、ドバイG7明け(2003年09/22)の時は、前週末の114.05円から112.13円へと大きくギャップダウンして始まり、その後2週間で108円台へと急落している。つまり、真空地帯を円高方向へ駆け抜けた典型的な事象である。
一段のドル高・円安進展は、各種ヘッジ操作に伴うドル買い戻しを誘発するため、予想外のドル高・円安が進展する可能性を秘めているといえそうだ。
■参考資料@: 年間変動幅、過去5年の平均変動幅を円安方向に当てはめると117.68円に
相場分析手法の一つに年間変動率・変動幅という考え方があるが、ドル/円の場合は直近5年間の平均変動率が13.87%、平均変動幅は16.01円となっている。
現時点の変動幅は10.62円と、平均変動幅の66%を達成したことになり、仮に平均変動幅を円安方向に当てはめると、117.68円となる。
また、外為市場では、米大統領選の翌年は大相場になるとのジンクスが存在しており、平均変動率は19%へ拡大する。
(⇒過去4回の米大統領選挙翌年の平均変動率19.1%を05年に適用すると、102.55円(始値)×19.1%= 19.58円の変動幅となり、円安方向では121.25円処が導かれる。)
■参考資料A: リスクシナリオ 8月に本格的な調整局面を迎える可能性に留意
ドル/円の月足騰落率によれば、7月と11月が陽線率の高い月(66.7%)である一方、8月は年間で最も陽線率の低い月(20.0%=陰線率の高い月)である。
つまり、統計的には8月が転機になる可能性が高いことから、7月中もしくは8月上旬の高値で売り抜け、8月上旬の戻り高値でショートポジションを構築するというストラテジーが考えられよう。
注目イベント:
1.参議院本会議に向けた政局混迷リスクの増幅(郵政民営化法案の採決の行方)
⇒小泉政権レームダック化リスク
2.中国人民元改革が実施される可能性が高い月
⇒人民元切り上げの変動幅次第ではあるものの、初期反応は円高が想定されるが、持続的な円高というよりもむしろ材料出付くしとなる可能性も否定できない。
(7月8日 08:30記、 12:50 一部語句を追加)
本日Bloomberg TVのオンエアは14:40〜6分20秒となっています。
オンエア前ですので、このサイト以外での公開はなさらないようお願い申し上げます。
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